薬局ってたくさん薬があると思うけど、何種類くらいあるのかな?
そうだね~
薬局の規模にもよるけど、1200種類がひとつの目安になるんじゃないかな?
そんなにたくさんあるんだね?
どの薬があるのか全部覚えてるの?
完全に・・・というのは備蓄してある薬も変わるので難しいけど、
ある程度は覚えていますよ
一般的な薬局の品目数
薬局の規模にもよりますが、ある程度大きいところは1200品目以上は置いてあります。
地域の薬局として、いろんな病院の処方箋を受け付けるためにはある程度の品目を備蓄しておきましょうね・・・というルールのもと、ある程度というのが1200品目になります。
保険調剤に係る医薬品として1200品目以上の医薬品を備蓄していること
調剤報酬点数表から地域支援体制加算の項目より一部抜粋
少ないところで1000品目程度、多いところでは2000品目くらいでしょうか?
品目が少ないところは目の前の病院だけに対応した備蓄になっているのに対して、多いところは目の前の病院だけでなく地域の病院にも対応できるように備蓄しているということで、これが国からも評価されているポイントになります。
地域柄で違う採用品目
処方せんは日本どこの薬局でも受け付けることは可能です。
しかし、「この薬はうちにはないので・・・」と言われたことはありませんか?
2022年4月現在、国で認められている医療用医薬品の種類は14880種類あります。
これは飲み薬、外用薬、注射薬など全て含まれています。
15000近い種類の薬があるなかで、1000ちょっとしかない薬局にすると、ない薬の方が圧倒的に多いのです。数字だけ見るとなくて当たり前の気もしますが、近くの病院でよく使う品目や、ジェネリック医薬品への変更調剤などを使って、日々対応しています。
病院から遠い薬局、かつ規模が小さい薬局ほど、飛び込みで薬局に行った場合、薬がない可能性が高くなります。
極端な話だと、皮膚科でもらった塗り薬の処方せんを整形の近くの薬局に行っても、
薬がないと言われてしまう可能性が高いです
都道府県が違えばもちろん、同じ都道府県でも、医療圏(保険医療を提供する区域)が違うと採用品が異なるので、薬によっては手に入りにくい品目もあります。
ちなみに医療圏は以下のようにわかれ、一次 < 二次 < 三次 の順に区域は大きくなっていきます。
一次医療圏 | 身近な医療を提供する範囲で主に市町村単位 |
二次医療圏 | 入院医療を提供する体制の確保を図る地域的な範囲で、 複数の市区町村を単位とし概ね20万人の人口を単位とする |
三次医療圏 | 特殊だったり先進的な医療を提供する範囲で、原則的に都道府県単位 |
薬の採用品目の基準
基本的には、近隣の病院やクリニックで使う薬を中心に置いてあります。
病院側は患者に必要な薬を自由に処方できるので、薬局側はそれに対応する形になります。
ただあまりにも自由に処方すると、「薬局で薬がない」という事態になり、患者も困ってしまうので、そうならないように予め、情報共有されていることも多いです。
大きな病院では病院の中のルールで処方できる薬(採用医薬品)が決まっています。あまりに多すぎて間違いを防止するという側面もあります。
なので、地域の薬局はある程度、あわせる形になります。
薬局で採用になる場合
新しい薬が発売になった時などは、処方を受ける可能性があるので、置いておくことがあります。
患者が処方せんを持ってきたときに在庫がない場合、次回以降対応できるように、用意しておきます。
(初回時も患者と相談して、すぐ取り寄せることも多いです)
先程の通り、大きな病院での採用の状況も参考にします。
薬局で採用中止になる場合
しばらく使用されていない薬は当然、採用中止になります。
中止になった薬は、薬にも使用期限があるので、有効活用できる間に使用している薬局に回します。
チェーン薬局であれば、別の店舗に。そうでない場合もその薬を必要としている薬局に売ったりして、なるべく無駄にならないようにしています。
世の中的にも使われなくなってきた古い薬や、製薬メーカーが採算が取れなくなってきた薬は販売が中止になります。そうすると薬局でも取り扱いがなくなります。
この場合、薬が残っていても保険調剤のルール上、
ある一定期間が過ぎると使えなくなってしまいます
後発医薬品の在庫について
2006年から後発医薬品同士、変更することが可能になりました。
これは非常に大きかったです。同じ成分の薬について、先発医薬品とジェネリック医薬品を置くのは通常だとして、ジェネリック医薬品だけでも、複数置かなければならなかったからです。
例えば、ロキソプロフェンNa錠60mg「サワイ」とロキソプロフェンNa錠60mg「トーワ」とで処方せんに書いてあれば、以前はそれぞれその通りに用意しなければ行けなかったのです。
現在は、患者の同意があれば、備蓄がある品目に変更して調剤することが可能なので、どちらか一方を置いてあれば対応できるようになりました。
よって、無駄なジェネリック医薬品の採用品を減らすことができました。
先発医薬品の在庫について
ジェネリック医薬品が普及するにつれて、先発医薬品の使用頻度が減りました。
そうなることで、先発医薬品の(特に昔からある先発医薬品の)在庫自体も減る流れになってきてます。
受け付けた処方せんの薬がない場合の対応
薬の採用がない場合でも、取り寄せることは可能です。
ただし、卸でも備蓄がない場合は取り寄せるのに時間がかかる場合があります。
逆に、近隣の薬局に在庫があれば、わけてもらうこともあります
地域によっては、備蓄を兼ねているような薬局もあるようですね