この前、薬局で病院に確認しますって言われたけど、どういうこと?
何かしらの理由で、そのまま薬をお渡しできなかったんだと思います
病院に、問い合わせをしてくれたんだと思いますよ
処方せんもいつもと違っておかしいと思ったんだよ~
でも、結構待ったなぁ
問い合わせには病院側の都合もあり、お時間をいただく場合があります
疑義照会とは
疑義照会とは医師の処方に対して、おかしい点(疑義)があったときに、問合せ(照会)をすることです。処方に対して、意見ができるのは薬剤師だけの権利です。
薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない。
薬剤師法 第24条
看護師さんでもできない業務なんですよね
疑義照会をするケース
併用薬との重複
今回の処方と薬歴(その患者ごとのお薬の記録)やおくすり手帳を確認した際、併用してはいけない薬が処方されていたり、同じ効能の薬が重複して処方されているときに確認します。
- かゆみ止めと鼻炎の薬(抗アレルギー薬の重複)
- 化膿止めと上気道炎(抗生物質の重複)
- 痛み止めと熱冷まし(解熱鎮痛薬の重複)
- 胃薬の重複
疾患と処方薬の関係
お薬によっては、この病気の人は飲めない薬というものがあります。場合によってはあえて処方することもありますが、基本的にはそういうのを見つけたら確認します。
- 糖尿病の患者にステロイド
- 気管支喘息の患者にβ遮断薬
- 緑内障の患者に抗コリン薬
- 尿閉の患者に抗コリン薬
アレルギー歴、副作用歴
以前飲んだり使ったことある薬で、そもそも合わなかったことがある場合。
再び飲んでも、やはり副作用が出る可能性が高いので、医師が承知していないようなら確認します。
例外としては医師が承知してる場合。またはというか、それに含まれるのかもしれませんが、はっきりしない場合は、「注意しながら服用する」という選択をとるケースもあるかと思います。
用法、用量が異なる場合
お薬ごとに飲む回数や飲むタイミングが決まっています。
また量についても、年齢や体重などによって決まっています。
そこらが異なる場合はやはり、確認が必要になります。
これも医師ごとにクセみたいなものがあるので、あえてそのようにしている・・・なんて場合もあります。
ジェネリック医薬品から先発医薬品に変える場合
先発医薬品からジェネリック医薬品に変更する場合は、特別な場合を除き、患者合意のもとで薬局の判断でジェネリック医薬品に変更することができます。
しかし、ジェネリック医薬品での処方をに対して、在庫不備などの理由で先発医薬品に変更する場合は疑義照会が必要になります。
処方せんの記載不備
形式的なものにはなりますが、必要な事項の記載がない場合があります。
電子カルテがだいぶ普及しているので、ほとんどないケースかと思いますが、もし不備を見つけたら、疑義照会をする必要があります。
その他
実際には「医者にこれ欲しいっていったのに出てないの?」とか「この薬は今回はいらなかった」とか「この薬はもう少し欲しかった」とかの疑義照会が多いのかもしれません。
おそらく薬剤師も言われたままではなく、薬剤師の判断をして疑義照会をしてくれていると思います。
前者は必要な薬がもらえないと困るし、後者は医療費削減にもつながるので一概に必要ない疑義照会とは言えませんが、医者と患者のやりとり次第では減らせるケースかもしれません。
できれば疑義照会したくない?
疑義照会をすることで、薬局も、病院側も、一度流れが止まってしまいます。
病院側に至っては、他の患者を診ているところで問い合わせがあるので、場合によって医師の機嫌を損ねてしまうこともあります。
今では少ないでしょうが、「そんなことで聞いてくるんじゃない」と怒られるケースもあります。
勉強不足・・・ということもあったと思いますが、聞き方ひとつでも変わってくるので、そこは薬剤師の力量が問われるところなのかもしれません。
病院によって疑義照会の仕方も異なり、電話でいいところもあれば、FAXでやりとりをしなければならないところもあります。
タイミングによって、最悪の場合、処方した医師が帰ってしまったとか受付時間外とかで連絡がつかない場合は返事をもらえるまで時間がかかることもあります。
そんな場合、服薬指導の範囲で疑義照会をしなくて済むケースならそのままで・・・といったこともあるのかもしれません。
またその逆で、絶対に疑義照会をしなくてはいけないケースもあり、患者がどんなに「いいよ、いいよ」っていっても「時間がないんだけど」っていってもそのまま渡せないものは渡せないのです。
結果、自分の健康に影響が出る可能性があるので、その場合は申し訳ないですが、お時間をください。
疑義照会を避けるために
医学的なことや薬学的なことなことは正直、避けきれるものではありません。
しかし避けられるものもあります。
- 医師に伝えることはしっかり伝える
- 薬局に処方せんを出す前に自分でも見てみる
医師に伝えることはしっかり伝える
併用薬や過去に合わなかった薬の有無、また女性なら妊娠の有無など、問診があると思います。
事前アンケートだけでなく、気になる点は直接口頭でも確認しましょう。
先に述べたように、必要ない薬などあればしっかり伝えましょう。
薬局に処方せんを出す前に自分でも見てみる
自分でも、処方せんを見てみましょう。慣れている薬であれば自分でもおかしい点があれば気づけることはあると思います。
その場合はすぐにその病院で確認をとってもらいましょう。
薬局から疑義照会をするより短い時間で解決できると思います。